熟年離婚で後悔しない|資金面で困らないための準備と手順

最終更新日: 2026年6月1日

【この記事の結論】
熟年離婚では専業主婦でも婚姻期間中の年金を最大50%受け取れる(2007年施行・年金分割制度)。婚姻20年以上なら財産分与の不動産に最大2,000万円の贈与税控除(おしどり贈与)が適用される。

熟年離婚を決断した夫婦のイメージ

結婚して数十年。

亭主関白でわがままな夫でも、長いあいだずっとガマンしてようやく定年。

夫にはわるいけど、これから残りの人生は自分のことをいちばんに楽しく生きていきたい!

離婚したい!でも、こんなわがままってじっさい通用するの?

ちゃんとした理由がないとやっぱり離婚はできないの?

家のことはぜんぶ妻にまかせっきりで、家庭をかえりみず妻を奴隷のようにあつかってきた夫。

生活するために、子供のためにガマンしつづけた結果、定年や子供の独立を区切りにした熟年離婚が急増しています。

これから夫に一日中いえのなかで、えらそうにこき使われるなんてたえられない。。


もう解放してほしい…とかんがえる方もすくなくないのではないでしょうか。

人生は一度きりです。

もしあなたも同じような想いが少しでもあるのであれば、後悔するまえにしんけんに考えてみてはいかがでしょうか。

長い夫婦生活のなかで、あるていどのたくわえがあるのであれば、実現できる可能性は十分にあります。

いままでがんばった分、これからはじぶんのためにやりたいことが自由にできる生活をしてもいいんです。

必要なちしきを身につけて離婚にむけた行動をうつしていきましょう。

いますぐ無料相談をしたい方はこちら

このページの目次

子どもがいたから我慢もできた…価値観の合わない配偶者に見切りをつけるタイミング!

介護が絡む熟年離婚の対処法

離婚をするときに いちばんモメるのが親権問題。

でも、子どもがは成人していれば親権を決める必要もありません。

さらにわが子は先日、就職も決めました。

ひとりでお金をかせぎ、生活していけるのです。

「子どもたちに貧しい思いをさせたくない」と離婚をふみとどまったけれど、自分の生活さえ心配していればいい。

そもそも、夫は子育てにどれだけかかわってくれたのだろう。

思いおこせば妊娠中から、つわりに苦しむ私をおいて、飲みあるくような人だった。

そのあとも、子どものことは私にまるなげ。

昔からむせきにんな人だった。

次から次と、夫のいやな思い出がよみがえってきた方もいることでしょう。

そんな夫が退職して毎日家にいるなんて、考えたくもない。

そうです。ついに、夫に見切りをつけるときがやってきたのです。

参考ページ【弁護士に相談した体験談】亭主関白な夫と熟年離婚!年金はもらえるのかしら?千葉県在住でパート勤務56歳女性の場合

その”熟年離婚”ちょっと待った!離婚を切り出す前に確認したいメリットとデメリット

最近は熟年離婚が増えていると耳にしますが、厚生労働省の資料によるとそれほど増えてはいません。
熟年離婚件数の推移を示す厚生労働省の統計グラフ
【参考】:厚生労働省「令和元年人口動態統計月報年計(概数)の概況」

芸能人の熟年離婚するというニュースや離婚がオープンになったことで耳にすることが増えそのように感じるのだとおもいます。

長いあいだずっと我慢してきたのだから、思い切ってさっさと離婚してしまおう!もう悩まない!そう思うのも当然です。

だって離婚には、たくさんのメリットがありますから。

●自由になった!開放感がえられる

好きでもない人の、ご飯はつくりたくないですよね。家事はもちろん自分のことのみ、自分のペースで毎日をおくれます。

●相手の親族ともサヨナラ

なにかと私たち夫婦に口だししてきた、義理の妹とももう会わなくていい。

なにより、気があわない人間と一緒にいるというストレスもなくなります。

いいことだらけに思える熟年離婚。

でも本当にメリットだけですか?

胸に手をあてて、もういちどよく考えてみてください。

離婚して、あなたが困るようなことになれば、元も子もありません。

●1人っきりに耐えられる?

長い間、1人で暮らしたことのない方も多いですよね。たしかに夫婦で暮らすのは面倒もあるけれど、2人という安心感もありました。

友達は夫婦仲が悪くないから、そんなに出かけられないし。。さみしさや孤独にたえらますか。

●子どもへの影響

親権の問題がなくなったとはいえ、子どもにとっては親は2人です。離婚することで生活が苦しくなった場合、そのしわよせは子どもにいってしまいます。

これから先、自分も夫も年をとります。介護が必要になっても、夫婦で助けあうことはできません。

子どもたちに負担がかかることはさけられないでしょう。

●経済的問題

夫がそれなりに稼いでいて、専業主婦をしていた方だと、生活のレベルを下げることになるでしょう。

この年になると、求人も少ないので、働くこともなかなか難しいのがげんじつです。

【離婚弁護士軍団の解決事例】熟年離婚で亭主関白な夫と別れたい!年金はもらえるのかしら?

離婚後の資金面あなたは大丈夫?良いものも悪いものも分け合う財産分与について

お話ししたように、熟年離婚でいちばんの心配は経済面であり、今後の生活です。

これから毎日食べていくためにどれだけの資金が必要になってくるのか。

そして住む家は?引っこすにしてもお金がかかるし。。

離婚する時には夫婦で築いた財産が分与される、つまり2人でわけあうことになります。

貯金などの現金や土地や建物など不動産、株券や社債などの有価証券や貯蓄型生命保険なども財産とされます。

年金や退職金も財産とみなされます。また、家財道具もわけあうことになります。

これはいい財産ばかりではないことに注意しましょう。

どういうことかというと、ローンや借金など、負の財産もわけあわなくてはいけないからです。

夫の退職金はきちんと分けてもらえる?どうなるの?

退職金については、すでに受けとっているときはもちろん、定年前でも財産とみなされますから、安心してください。

これは夫が会社勤めをするにあたって、少なくとも結婚後は、妻が内助の功を果たしたと法的に認められているからです。

そのため、将来受けるとよそうされる金額を計算して、その額を財産として分けてもらうことが可能です。

住宅ローンが残っている場合、離婚後にどういう選択肢があるのか?

住宅ローンの問題は、これからの生活におおきな影響がありますから、よくかんがえなければなりません。

まずは、家を売る場合の相場、住んでいる家の価値を調べましょう。

さらに、ローンの残額はどのくらいでしょうか。

ローン残額<家の価値の場合は、家を売る選択もできます。

家を売って得た現金を、夫婦2人で分けることになります。

それではローンの残額が多かった場合はどうなるのでしょう。

どちらが家に住み続けるにしても、ローンを支払うのはローンの名義人です。

名義人がそのまま住むのは問題ありませんが、ローンの名義人ではない妻だけが住むときには問題があります。

夫がローンを払わなかったときには追い出されることもあります。

また夫名義の場合、知らないうちに家を売却するおそれがあります。

こういったリスクをさけるために、きちんと使用貸借や公正証書で残しておきましょう。

参考 :(使用貸借

第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる

参考 :法務省「公証制度について」

また、家を売ってもローンが残る場合、抵当権が残ってしまいます。

この場合は、必ずうまくいくとはいえませんが、任意売却という救済方法もあります。

いますぐ無料相談をしたい方はこちら

財産分与で支払いが必要となる税金や節税対策ってあるの?

現金での財産分与については、原則として税金はかかりません。

ただ お金いがいのもの、家や土地など不動産、株式などの有価証券や高額な美術品などが課税対象になります。

とはいえ、財産を分与された側は基本的に課税されることはありません。

あまりに財産が高額すぎる場合や贈与税・相続税を逃れる目的などがある場合を除き、もらう側は、そう心配することはありません。

一方分け与える側は、譲渡所得税がかかります。

しかし例えば、結婚していた期間が20年以上の夫婦の場合、財産をわけるために土地を売ったり買ったりする場合には、一回だけ贈与税が控除されます。

2000万円まで非課税となり、年間110万円の基礎控除とあわせて2110万円の控除となるんです。

この配偶者控除については、結婚していることがぜんていですから、離婚する前にけんとうする必要があります。

ほかには、財産分与として譲渡したり売ったりするときには、次のような特例があります。

  1. マイホームの場合は、売った利益が3000万円以内なら、税はかからない(特別控除)
  2. マイホーム用として10年以上所有しているものは税率が軽減される(6000万円以下の所得に対する軽減税率の適用)

1.2の場合は夫婦や親子などではてきようされませんので、離婚したあとに分け与えることがぜんていとなります。

参考ページ【弁護士に相談した体験談】亭主関白な夫と熟年離婚!年金はもらえるのかしら?千葉県在住でパート勤務56歳女性の場合

熟年離婚増加の最大の理由?!専業主婦も安心の年金分割制度について

熟年離婚がふえた背景には、年金分割の制度ができたことも関係しているのではないでしょうか。

ただ、「年金を半分もらえるのなら、離婚後の生活も心配ない」というわけではありません。

分割できる年金の内容は、結婚していた間のみの金額であり、独身時代のものははぶかれます。

年金のなかでも、厚生年金の部分のみを分割することとなります。

年金分割の方法は、以下の2種類となります。

●合意分割

話しあいで、年金分割の割合を決める。

●3号分割

専業主婦等など国民年金の第3号被保険者が離婚した場合は、夫の合意が無くても年金が分割できる。

平成20年5月1日以降に離婚した人が対象。

妻が働いていた場合には、妻の年金も分割に対象となります。また離婚後すぐに年金をうけとれるわけではなく、受給年齢になってからです。

そのあたりもよく考えておいたほうがいいですね。

【参考】:日本年金機構「離婚時の厚生年金保険の分割制度」

熟年離婚を回避したい方へ

つのらせた恨みつらみは数知れず…慰謝料請求できるケースと気になる相場

介護が絡む熟年離婚に特有の問題と対処法

熟年離婚を回避したい方へ:関係修復の方法

熟年離婚はこれまでの夫婦生活の我慢やストレスがつもりにつもり、ついに爆発したパターンが多いです。

いままでずーっと我慢してきたのだから、たくさん慰謝料をもらって、リセットしたい!と考えるのもむりはありません。

熟年離婚もいっぱんてきな離婚と同じく、相手の行為で精神的苦痛を認められた場合にはじめて、慰謝料の請求ができます。

DVやモラハラなどの暴力によるもの、相手の浮気、生活費をわた渡してくれないといった場合に請求できる可能性はより高くなります。

どれだけいやな思いをしたか、けがなどの被害があったかでも慰謝料の金額はかわってきます。

また、結婚生活のながさもおおいに関係あるんです。

ですから、結婚してから長い期間がたっている熟年離婚の場合、ずっといやな思いをしてきたということをアピールできるでしょう。

慰謝料の請求を確実にするためには、相手の非が第三者にもわかるほどの具体的な証拠をあつめることがポイントです。

また、自分には非がないことも、同時に証明していきます。

長い時間がまんしてきたからこそ、離婚したい思いは強いかもしれません。

けれども、感情にまかせて離婚をすすめてしまうと、結果としてあなたに不利になることもありえます。

ここまで我慢したのだから、あと少し。

今後の生活を幸せにするためにはどううごくべきか、離婚するしないもふくめてもういちど、よくかんがえることをおすすめします。

一人で解決するのが不安な方は離婚相談サポートに相談

この記事を書いた人

青野

44歳・女性・東京都在住。19年間の婚姻生活のあと41歳で調停離婚を経験。「弁護士費用がもったいない」と自分で調停に臨んだが、財産分与で1000万円近く損をした。この後悔がサイトを立ち上げたきっかけ。法律の専門家ではないが、法務省や裁判所の公開情報をもとに、正確な情報を届けることを続けている。

📋 この記事の参考情報・一次ソース

※本記事は公開情報をもとに作成しています。個別の事案については弁護士等の専門家にご相談ください。

まずは無料相談から

一人で悩まず、離婚問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
初回無料相談を受け付けている事務所もあります。

無料相談はこちら →

費用が心配な方は法テラス(日本司法支援センター)の無料相談もご活用ください。

免責事項・ご利用にあたって

本記事は、離婚に関する一般的な情報の提供を目的としており、 個別の法律相談・法的アドバイスを行うものではありません。

記事の内容は、執筆時点の法律・判例・実務に基づいており、 法改正・判例変更等によって内容が変わる場合があります。 最新の情報については、必ず弁護士等の専門家にご確認ください。

本記事の内容を参考にした結果生じたいかなる損害・不利益についても、 当サイト運営者は責任を負いかねます。 重要な法的判断は、必ず資格を持つ弁護士にご相談ください。

【法改正対応について】
本記事は2026年5月現在の法律に基づいています。 共同親権制度(2026年4月施行)等の重要改正については、 最新の法律情報をご確認ください。

この記事を書いた人

furuta

【基本情報】 furuta(ふるた)|30代・女性・千葉県在住 離婚経験: 2022年 協議離婚(調停なし)|婚姻期間: 6年|子どもの有無: なし 主な離婚理由: 価値観の不一致(生活スタイル・将来設計のズレ) 【プロフィール】 夫とは6年間一緒にいたが、「子どもを持つかどうか」という根本的な価値観のズレが修復できなくなり、2022年に協議離婚を決めた。 離婚自体はスムーズに進んだが、問題は慰謝料だった。夫の浮気は証明できなかったため有責配偶者認定はなかったが、「精神的苦痛に対する慰謝料」を求めて交渉に臨んだ。当初100万円を目標にしていたが、相手に「証拠はあるのか」と言われた瞬間に言葉に詰まった。結局、話し合いで手にしたのは20万円。弁護士に相談していれば、少なくとも交渉の余地はあったと今でも思う。 「知らなかったこと」が損失に直結する。それがこのサイトを書き続ける理由だ。 【担当ジャンル】 協議離婚の進め方・段取り/慰謝料の請求・相場・交渉/モラハラ・価値観の不一致による離婚/離婚全般の入門記事 この著者が担当する理由: 協議離婚を経験したことで、「法的手続きを踏まずに交渉した場合の限界」を実体験として把握している。弁護士に頼らない選択肢の現実を書けるのは、実際に経験した者だけ。 【情報収集・執筆プロセス】 1. 法務省・裁判所・e-Govの公開資料で法的根拠を確認 2. 記事内の数値(慰謝料相場・算定基準)は判例タイムズ等の公開データを参照 3. 法改正があった項目は官報・法務省告示を必ず確認(2026年4月改正民法対応済み) 4. 記事公開後も法改正・判例変更があった場合は更新 「弁護士への相談が必要な案件」「ケースバイケースの要素が大きい内容」は必ず「弁護士への相談をおすすめします」と明記している。

サブコンテンツ
https://shinkazokukaigi.jp/zyukunenrikon/