緊急の危険がある方へ

働かない夫と離婚する方法|慰謝料・養育費の請求手順と成功のコツ

最終更新日: 2026年10月7日

働かない夫との離婚を考え、家計を整理する人のイメージ

生活費が入らない状態が続くと、貯金が毎月減り、子どもの生活やこの先の暮らしまで心配になります。「もう限界かもしれない」と感じても、何から確かめればよいか分からないことがあります。

離婚後の住まい、仕事、公的支援も含めて考えたいときは、暮らしを立て直すための案内も確認してください。

この記事の結論

夫婦で離婚に合意できる場合と、合意できず裁判所の手続を使う場合では、確認することが異なります。「働かない」「病気やけがで働けない」「生活費を入れない」「安全に不安がある」を分け、現在の生活費と離婚後のお金も別々に整理する必要があります。就労状態だけで離婚の可否や慰謝料を決めることはできません。

安全に不安がある方へ

暴力、脅し、強い威圧、監視などがある場合は、話し合いや記録集めより安全を優先してください。危険が差し迫っているときは110へ連絡し、緊急でない場合も配偶者暴力相談支援センターなど地域の公的窓口へ相談できます。相手へ事前に伝えることが危険につながる状況では、対面での話し合いや退去の予告を前提にしないでください。

まず4つの状況を分けて考える

病気やけがなどで働けない

働けない理由や回復の見通しは、本人や家族が決めつけるものではありません。医療上の評価は医師が行います。まずは直近1か月の入金と固定費を書き出し、生活費の不足額を確認してください。本人が確認できる状態なら、治療と勤務先・加入先の制度は本人の同意のもとで整理します。病気やけががあるという一つの事情だけで、離婚できる・できないと結論づけることはできません。

正当な理由がなく働かない

働いていない期間、夫婦で決めた家計分担、実際の入金額を時系列に並べてください。「働かない」という言葉だけで相手の人格や意欲を決めつけず、生活にどのような不足が出ているかを事実で確認します。

働いているかにかかわらず生活費を入れない

就労しているかどうかと、婚姻中の生活費を負担しているかは別の問題です。自分の通帳や家計簿で、入金が止まった時期と毎月の不足額を記録してください。生活費の不払いは婚姻費用の請求や、事情によっては裁判上の離婚原因の評価に関係しますが、不払いだけで自動的に「悪意の遺棄」になるわけではありません。

暴力や威圧など、安全への懸念がある

安全上の不安がある場合は、通常の話し合い、別居の予告、証拠整理とは別に考えます。相手に見られない安全な端末や場所を使い、差し迫る危険は110、緊急でない相談は配偶者暴力相談支援センターなどの公的窓口へつないでください。相手への説明や資料集めを先に行う必要はありません。

「働かない」という理由だけで離婚できるのか

夫婦で合意できる場合

夫婦が離婚と必要事項に合意できる場合は、協議による離婚を検討できます。子どもがいる場合やお金の取り決めがある場合は、離婚後の生活に関わる事項を曖昧なままにせず、書面化や公正証書の要否を個別に確認します。

合意できない場合

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の離婚調停を利用できます。調停でも合意できず裁判で離婚を求める場合は、別途、離婚訴訟を提起する必要があります。調停が不成立になっただけで、自動的に訴訟へ移るわけではありません。手続の全体像は離婚までの流れでも確認できます。

裁判で離婚を求める場合

裁判上の離婚では、民法上の離婚原因に当たるかが個別の事情と証拠から判断されます。就労していないこと、病気があること、生活費を入れていないことを一つにまとめず、法律上どの事実が問題になるかを弁護士へ確認してください。

離婚前後に確認する4種類のお金

婚姻費用:婚姻中や別居中の生活費

婚姻費用は、婚姻中の夫婦や子どもの生活を支える費用です。離婚後の養育費とは別の制度です。今の生活費が不足している場合は、離婚の結論を待たずに確認できる手続があります。申立方法や必要書類は、裁判所の養育費・婚姻費用分担Q&Aで確認してください。

判例で見る|生活費の申立て後に離婚した事例

婚姻費用を申し立てた後に離婚した事例について、最高裁が請求権をどう扱ったかを紹介します。

離婚前に申し立てたことや、財産分与の合意も清算条項もなかったことなど、この事案の条件も一緒に確認します。

婚姻費用の判例を読む

慰謝料:権利や金額は個別に判断される

精神的につらいという事実だけで、直ちに慰謝料が認められるわけではありません。相手の行為、損害、因果関係などが個別に検討されます。受診は自分の健康を守るために行い、診断や原因の評価は医師、記録の法的な評価は弁護士へ確認してください。

財産分与:婚姻中に築いた財産を整理する

財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を離婚時に整理する制度です。慰謝料や現在の生活費とは目的が違います。対象財産や債務は事情により異なるため、離婚時のお金と財産の案内も参照してください。

養育費:離婚後の子どもの生活費

養育費は、離婚後の子どもの生活や成長のための費用です。婚姻費用とは対象となる時期が異なります。金額や支払方法は双方の収入、子どもの人数・年齢などで変わります。支払いが止まった場合に利用できる手続は、取り決めを記載した調停調書や公正証書などの有無によって異なります。強制執行を検討するときは、裁判所の「養育費に基づく差押え」で手続と必要書類を確認してください。

離婚までの手続きを順番に確認する

1. 当面の生活と安全を確保する

家賃、光熱費、食費など直近の支払いを一覧にし、足りない金額を確認します。生活が差し迫っている場合は自治体の生活相談窓口や公的支援を先に確認し、安全に不安がある場合は前の安全案内を優先してください。

2. 家計と希望する条件を整理する

自分の手元にある資料で、入金、固定費、子どもの費用、住まい、財産を整理します。相手に伝えたい条件は、離婚の意思、別居中の生活費、子どもの生活、住まいに分けて書き出します。

3. 安全に話せる場合だけ協議する

対面で安全に話せる場合は、離婚するかどうかと、子ども・お金・住まいの条件を確認します。相手に弁護士が付いたときは、届いた文書、期限、求められている回答を整理し、自分も法律相談を利用するか検討してください。

4. 合意できなければ離婚調停を申し立てる

話し合いを拒まれる、または条件がまとまらない場合は、家庭裁判所の離婚調停を利用できます。調停では、裁判所の手続の中で離婚や子ども、お金に関する事項を話し合います。

5. 裁判で離婚を求める場合は別途提訴する

調停でも合意できず、なお裁判で離婚を求める場合は、離婚訴訟を別に提起します。調停不成立から自動的に訴訟へ移るわけではありません。裁判上の離婚原因への当てはめは、整理した事実と資料をもとに法律相談で確認します。

記録を整理するときの注意点

相談時に状況を伝えやすくするため、次のような資料を時系列で整理できます。

  • 自分が契約者・名義人である口座や家計簿の入出金
  • 自分宛ての家賃、光熱費、保険料などの請求書
  • 生活費を受け取れなかった時期と、家計への影響を記したメモ
  • 自分が受け取った手紙、メール、裁判所や弁護士からの文書

相手の端末、アカウント、通信、クラウド、位置情報、私的な口座へ無断でアクセスしないでください。どの資料を利用できるか迷う場合は、取得前に弁護士へ確認します。安全への不安がある場合は、記録集めより退避と相談を優先してください。

相談先と参考情報

この記事を書いた人

福田

まずは無料相談から

一人で悩まず、離婚問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
初回無料相談を受け付けている事務所もあります。

無料相談はこちら →

費用が心配な方は法テラス(日本司法支援センター)の無料相談もご活用ください。

免責事項・ご利用にあたって

本記事は、離婚に関する一般的な情報の提供を目的としており、 個別の法律相談・法的アドバイスを行うものではありません。

記事の内容は、執筆時点の法律・判例・実務に基づいており、 法改正・判例変更等によって内容が変わる場合があります。 最新の情報については、必ず弁護士等の専門家にご確認ください。

本記事の内容を参考にした結果生じたいかなる損害・不利益についても、 当サイト運営者は責任を負いかねます。 重要な法的判断は、必ず資格を持つ弁護士にご相談ください。

【法改正対応について】
本記事は2026年5月現在の法律に基づいています。 共同親権制度(2026年4月施行)等の重要改正については、 最新の法律情報をご確認ください。