最終更新日: 2026年10月27日

うちの旦那、年収が低すぎるんです。。。
あまりに生活が苦しいので、親にたのんで実家で同居させてもらっています。
それなのに主人は今の仕事に満足らしく、ほかの仕事をさがそうともしない始末。
主人とはもう無理です…
夫の稼ぎが少なく、いつもギリギリの生活がいやで、離婚を悩んでいる方は少なくありません。
夫婦生活をしていく上で、お金は非常に重要なことです。
お金がすべてじゃないとは言いますが、それは最低限の生活をしていける余裕があってこその話です。
ここでは、夫の年収の低さが原因で離婚を考えている方が、順番に確認しておきたいことをご紹介していきます。
新生活をスムーズにスタートさせるためにも、離婚の準備をしっかり整えていきましょう。
このページは、夫の収入が低いために離婚を考えている妻向けの案内です。
次の場合は、お金と財産の整理で確認できます:妻の収入が低いと感じている夫・高収入の夫と離婚を考えている妻。
年収の低さそのものは、民法770条が定める離婚事由としてそのまま扱われるものではありません。一方、収入があるのに生活費を渡さない状態は「悪意の遺棄」に当たるかどうかが問題になります。養育費は、支払う側の収入や子どもの人数・年齢などをふまえ、裁判所が公開している算定表を目安に個別に決まります。まずは「今の収入」「固定費」「毎月いくら足りないか」を書き出すところから始めてください。個別の事情にどう当てはまるかは、弁護士等の専門家にご確認ください。
同じ「お金がつらい」でも、状況は3つに分かれます
「夫の収入が少ない」という悩みは、よく見ると次の3つに分かれます。どれに近いかで、先に確認することも、離婚を考えるときの論点も変わります。近いところから読んでください。
| あなたの状況 | 先に確認すること | この記事で読む場所 |
|---|---|---|
| ① もともと収入額が低く、生活が上向かない | 今の手取り、固定費、毎月の不足額 | 家計の書き出し → 離婚できるのか |
| ② 収入が下がって、今月の生活費が足りない | いつから、いくら下がったか。使える公的支援 | 家計の書き出し → 暮らしの準備 |
| ③ 収入はあるはずなのに、生活費を渡してくれない | 入金が止まった時期と金額の記録 | 生活費を渡さない場合 |
なお、どの状況でも、夫の言動が怖い、責められるのが不安、身の危険を感じるという場合は、書類をそろえることより先に相談してください。一人で切り出す前に、話を聞いてもらえる場所があります。
安全への不安がなく、離婚するか悩んでいる場合は、下記のページも参考にしてください。
【参考記事】 離婚寸前から夫婦関係を修復したい|安全確認と原因別の考え方
まず「今の収入・固定費・不足額」を書き出す

離婚できるかどうかを考える前に、数字がわかっていると話が早く進みます。相談するときも、家計の現状がわかる紙が一枚あるだけで、聞ける内容が具体的になります。
書き出すのは、この3つです。
- 今の収入(夫の手取り、自分の収入、児童手当などの入金)
- 固定費(家賃・住宅ローン、光熱費、通信費、保険、車、教育費)
- 毎月の不足額(固定費 + 食費などの生活費 − 収入)
数字の裏づけとして、手元にあると話が早い書類の例は次のとおりです。無理なく確認できる範囲でかまいません。
〈収入がわかるものの例〉
- 給与明細
- 源泉徴収票
- 生活費の振込みがとだえたことのわかる通帳の記録
とはいえ、給与明細を夫が見せてくれないことも予想されます。
その場合、住んでいる市区町村で課税証明書(所得証明書)を発行してもらう方法があります。前年の1月から12月末までの所得や課税内容が記載された書類です。
(名称)
東京都 『市民税・都民税課税証明書』
他の市区町村 『市民税・県民税課税証明書』『町県民税課税証明』
ただし、本人以外がどこまで請求できるか、何を持っていけばよいかは自治体ごとに異なります。出向く前に、住んでいる市区町村の窓口やホームページで取扱いを確認してください。
マイナンバーカードを使ったコンビニ交付に対応している自治体もあります。 コンビニ交付に関する情報(コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付(コンビニ交付)ホームページ)
預貯金、住まい、ローンなど、家計全体の確認項目はお金と財産の整理でまとめて確認できます。
年収の低さだけで離婚はできるのか
協議離婚は、夫婦が離婚に合意し、離婚届が市区町村長に受理されてはじめて法律上の効力が生じます。
年収が低いことを理由に離婚を考えている場合でも、夫婦が離婚に合意し、離婚届が受理されれば協議離婚が成立します。
夫が離婚に合意しない場合は、家庭裁判所の離婚調停を申し立て、裁判所の手続の中で話し合う方法があります。
調停でも合意できず、なお裁判で離婚を求めるときは、調停とは別に離婚訴訟を提起します。調停が不成立になっただけで、自動的に訴訟へ移るわけではありません。
裁判上の離婚では、民法770条の離婚原因に当たるかが判断されます。協議離婚は夫婦の合意と離婚届の受理によって効力が生じるため、次の離婚原因が必要になるのは、裁判で離婚を求める場面です。
現在の民法770条1項が定める離婚原因は、次の4つです(2026年4月1日施行の現行規定)。
- ●配偶者に不貞な行為があったとき
- ●配偶者から悪意で遺棄されたとき
- ●配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- ●その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
この4つを見るとわかるように、収入が低いということ自体は、項目として並んでいません。
ただし、生活の実情がどうであったかは別に判断されます。たとえば『家族が食べるのにも困る毎日』『妻も理由があって働けない』といった事情が具体的に示せる場合、夫婦関係がすでに破綻して修復できないとして『4.その他婚姻を継続し難い重大な事由』に当たるかが検討されることがあります。
当てはまるかどうかは、期間、金額、経緯、双方の事情によって変わります。自分のケースがどうなるかは、弁護士等に事実関係を伝えて確認してください。
収入はあるのに生活費を渡さない場合

夫婦は協力してともに暮らし、生活や経済面でたすけあうべき存在です。
これは一般的な話ではなく、法律できめられた夫婦のありかたなのです。
ですから、正当な理由もなく生活費を渡さないという状態は、離婚事由の『2.悪意の遺棄』に当たるかどうかが問題になります。ただし、当たるかどうかは自動的に決まるものではなく、渡していない期間、金額、収入の実態、別居や生活の経緯などをふまえて個別に判断されます。
「給料が安い」「会社がきちんと評価してくれない」となげき、家にお金を入れない夫。この場合に確認したいのは、夫の人柄ではなく、次の2点の事実です。
- 生活費の入金がいつから止まったか、または減ったか
- その間、家計にいくら入っていたか
通帳の記録や、家計簿・支払明細のように自分の手元にあるもので、この2点を時系列にしておくと、相談したときに状況が伝わりやすくなります。夫の持ち物や端末、口座を勝手に調べる必要はありません。安全に不安がある場合は、記録をそろえるより先に相談を優先してください。
なお、別居している間の生活費(婚姻費用)については、裁判所が算定表を公開しています。記事末尾の参照元からご確認ください。
判例で見る|過去の生活費と、合意を見直す手続
過去の婚姻費用を定める判断と、合意を見直す手続を扱った判断を紹介します。
低収入や働けない事情がどう評価されるかを直接答える判例は、今回まだ確保できていません。
離婚後の暮らしをどう準備するか

不安は大きいけれど、これ以上夫とはやっていけない、と離婚に踏み出すことを決めたとき。収入が少ない状態からの離婚では、離婚後の暮らしを先に見積もっておくことが、そのまま生活の安全につながります。
見積もっておきたいのは、次のような点です。
- 夫と話し合いで進められそうか、調停が必要そうか。調停になった場合の費用
- 離婚後の毎月の生活費と、住む場所
- 働く場合、子どもをどこに預けるか
- ひとり親家庭が受けられる公的な支援
児童扶養手当などの制度は、支給の条件や金額が改定されることがあります。記事末尾の参照元にある公的機関のページで、最新の内容を確認してください。
協議・調停・届出など全体の順序は、離婚手続の流れで確認できます。
住まい、仕事、公的支援をまとめて考えるときは、離婚前後の暮らしを立て直す案内も参考にしてください。
子ども・養育費・財産分与を順番に確認する
親権、面会交流、財産分与は、どれも事情によって考え方が変わるため、このページでは要点だけにとどめます。

- 親権:離婚時には、子どもの利益のため、父母の双方またはいずれか一方を親権者と定めます。裁判所が判断する場合は、父母と子どもの関係など一切の事情が考慮されます。今働いていないことだけで、双方または一方のどちらになるかが決まるものではありません。
- 面会交流:離婚後も子どもが別居親と会う機会について、頻度、場所、緊急時の連絡方法、第三者の付き添いの有無などを具体的に決めていきます。
- 財産分与:結婚生活のあいだに夫婦が協力して築いた財産を分けるものです。預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、住宅ローンのようなマイナスの財産も考慮されます。
養育費・親権・面会交流を子どもの暮らしを中心に整理したい場合は、子どもの暮らしと将来の案内を確認してください。預貯金・住まい・ローン・財産分与はお金と財産の整理にまとめています。
父母双方を親権者とする場合の親権の行使や、父母の一方を親権者とする場合の扱いは、子どもの利益と家庭の状況を踏まえて確認します。暴力等により共同して親権を行うことが困難な場合など、法律上、単独親権としなければならない場合もあります。
収入が少ない場合、養育費の金額はどう考えるのか
養育費の金額は、父母双方の収入、子どもの人数と年齢などをもとに検討されます。裁判所の調停・審判では算定表を目安にしつつ、個別の事情も考慮して具体的な金額が検討されます。
また、取り決めをしても支払いが続かなくなることがあります。そのため、養育費を含めた離婚の条件は公正証書として残しておく方法があります。公正証書は公証役場で公証人が作成する公の文書で、約束した内容の記録になります。
一定額の金銭の支払いと、支払わないときは強制執行されてもかまわない旨を公正証書に記載するなど、必要な条件を満たす場合は、支払いが滞ったときに裁判手続を経ず強制執行を申し立てられます。対象となる支払い、必要な文言、手数料や書類は公証役場に確認してください。
養育費は子どものためのお金です。親どうしの感情とは切り離して決めておくほうが、あとで子どもが困りません。
一人で決めなくて大丈夫です
急いで動くべきか、先に家計を整えるべきかは、状況によって変わります。公的な案内や専門家への相談も使いながら、一つずつ整理してください。
📋 この記事の参考情報・一次ソース
- 裁判所|夫婦関係調整調停(離婚)
- 裁判所|養育費に関する手続・算定表
- 日本公証人連合会|離婚と公正証書
- e-Gov法令検索|民法第770条(裁判上の離婚・法定離婚事由)
- 法務省|離婚を考えている方へ
- 日本司法支援センター(法テラス)|相談・支援の案内(利用要件あり)
※本記事は公開情報をもとに作成しています。個別の事案については弁護士等の専門家にご相談ください。
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記事の内容は、執筆時点の法律・判例・実務に基づいており、 法改正・判例変更等によって内容が変わる場合があります。 最新の情報については、必ず弁護士等の専門家にご確認ください。
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本記事は2026年5月現在の法律に基づいています。
共同親権制度(2026年4月施行)等の重要改正については、
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