DV妻と言われ離婚を迫られたら|離婚回避の手続きと対処法
最終更新日: 2026年5月31日
妻から夫への暴力も配偶者暴力防止法(DV防止法)に基づく法定DV。DVには身体的・精神的・性的・経済的・社会的暴力の5種類があり、1つでも該当すれば離婚事由(民法770条5号)となる。離婚回避には早期の専門家相談が鍵。

カッとなると、ついつい夫に手がでたり、怒鳴っちゃうんです。
頼りない夫を見ていると、どうしてもイライラしちゃうんですよね。
でも、そんなことが原因で夫が離婚したいと思っていたなんて…信じられます?
女性のわたしが少し叩いたりしただけですよ?
夫がDVの被害を訴えて離婚をせまってくるなんて、妻側にしてみれば夢にも思わなかったはずです。
ですが、たとえ女性の場合でも、その行動はDVになるんです。
夫から妻への暴力と同じように、妻から夫への暴力も立派なDVです。
夫との離婚に納得できない、したくないのであれば、まずは冷静になることが一番のポイントになります。
そのうえで、今やるべき事をしっかりおさえて、夫との離婚を回避し、円満な夫婦生活をとりもどしましょう。
このページの目次
こんなことまでDVになるの?DVの種類とその特徴
同居関係にある配偶者や内縁関係の間でおこる家庭内暴力のことです。
言葉を聞いただけだと「身体を痛めつけられるものすごい暴力」をイメージしてしまいますよね。
顔や身体にあざができたり、通院するほどのケガをさせられたり……。
でも実は、直接的な危害を加えるだけがDVじゃないんです。
言葉や態度による嫌がらせや無視、物を投げて壊す、人前で罵倒するなど目に見えない「精神的な部分」で相手を追いつめることもDVにあたります。
芸能人夫婦の離婚原因として取りあげられたり、なにかと話題の「モラハラ(モラルハラスメント)」も、相手の価値をおとしめる一種のDVだといわれています。
【参考】内閣府男女共同参画局*ドメスティック・バイオレンス(DV)とは
DVの種類とは
このように直接的な暴力だけでなく、心理的ないじめもDVに含まれるのですが、具体的にはどういった行為がDVだとみなされるのでしょうか。
- 身体的暴力 殴る蹴る、押さえつける、部屋に閉じこめるなど、一方的かつ直接危害をくわえる行為
- 精神的暴力 暴言や無視をはじめとする精神的な嫌がらせ。行動を監視したり、子供や身内など大切にしているものを傷つけると脅したり、相手へが苦痛となる心理的な負担をあたえる行為。モラハラも含まれる
- 性的暴力 望まない性行為を強要すること
- 経済的暴力 家庭にお金を入れない、パートナー名義の借金をするなど
【2024年4月 法改正による重要な変更】
2024年4月1日の改正DV防止法施行により、精神的DVでも保護命令の対象になりました。
これは相手(配偶者)が精神的DV(うつ病・PTSD・適応障害等の診断がある場合)を理由に、あなたへの接近禁止命令を申し立てられる可能性があることを意味します。
改正後の保護命令の期間は1年間(改正前: 6ヶ月)に延長されており、違反した場合は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が科される場合があります。
「自分はDVなんてしていない」と感じている場合でも、相手が精神的苦痛を受けたと主張している状況では早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
DVする人される人!その特徴とは
夫のほうが私より身体も大きいし体力もあるんだから、妻側からのDVなんて考えられない!と思う人も少なくないはずです。
そこでDVを働く女性に多い特徴を以下にまとめてみました。
ドキッとする部分はありませんか?
●相手を見下す
キャリアや学歴が高い女性がやりがち。「そんなことも知らないなんて馬鹿みたい」など、相手を否定する言葉が口癖。
●マイルールを押しつける
自分のペースを変えず、相手のやり方を認めない。感謝しない。
●夫の人格を否定し、言葉で支配する
「給料が安い」「能力がない」とさげすみ、ささいな間違いなどで説教や土下座を強いる。モラハラからはじまり、物を投げつけたり殴る蹴るなどの暴力も。
●子供にも夫のネガティブな面ばかりを教え込む
比較的外面もよく、プライドが高い女性、わがままで何事も人のせいにする傾向がある女性がDVの加害者になりやすいようです。
一方被害者になりやすい夫側もまた、プライドが高いのが特徴です。
かよわいはずの妻、女性から暴力を振るわれているなんて、口がさけてもいえないのです。
また「自分さえ耐えれば妻は変わってくれる」と我慢してしまう男性や、人がよく優しい男性は相手に反抗することを嫌います。
そのため、妻に対しても強く出れず、言いなりになってしまいがち。
DVは身体的暴力だけじゃない!言葉の暴力に悩んで離婚を考える夫婦もいます【モラハラを理由に離婚するためにするべきこと!】
わたしがDV妻だなんて認めたくない!そんな時にやるべきこと
もしかして「私、DV妻だったの?」と疑う気持ちが出てきた方もいるかもしれませんね。
DVを働いている側は、自分のどういった行動がDVだったのか無自覚なことがほとんどなのです。
ですから、自分の行動が相手にどういう影響を与え、それがDVだったのかを落ち着いて考える時間をもつことが大切です。
どういった部分で自分がDVを働いていた可能性があるのか、疑いのあるシーンはどんなときだったのか、胸に手をあてて考えてみませんか。
冷静になって、夫との夫婦生活を考えてみる
直接的な形ではなくとも、言葉の暴力を夫に投げかけてはいなかったでしょうか。
また相手に対する不満を、話し合いではなく一方的かつ感情的にぶつけすぎてはいませんでしたか。
冷静に、落ち着いて相手の意見を聞けていましたか。
夫を頼りにするがゆえ、ある種愛情の裏返しで甘えがでてしまい、受けとる側の夫にとっては耐えがたい苦痛になっているかもしれません。
いま一度夫婦の関係、夫婦のあり方を再考してみましょう。
ひとりで悩まないで誰かに相談してみる
配偶者間のDVは、基本的に密室で起こること。狭い世界でなやんでいても、自分を客観的に見ることはできません。
もしかして……と思いあたる部分が少しでもあれば、誰かに相談してみることをおすすめします。
身内や友人など、親しい人に相談するのも悪くはありません。
ただ、近しい人であればあるほど、客観的に見ることは難しいかもしれません。
気持ちの整理をつけるうえでも、各地にある配偶者暴力相談支援センターや、無料の離婚相談サポートに相談することも検討してみましょう。
特に以下のような状況では、弁護士への相談を急ぐことをおすすめします。
- 相手がすでに配偶者暴力相談支援センターや警察に相談している
- 相手が医療機関でうつ病・PTSDと診断されている
- 相手が保護命令の申立てを示唆している
2024年の法改正後は、精神的DVを理由とした保護命令が認められるケースが増えているとされています。早期の法律相談が状況改善の鍵になります。
Q. 妻から「精神的DVで保護命令を申し立てる」と言われました。実際に申立ては通りますか?
相手に医師の診断書がある場合、申立てが通る可能性があります。早急に弁護士に相談してください。
2024年4月以降、精神的DVを理由とした保護命令の申立ては増えています。申立てには「通院加療が必要な程度の精神的被害」という要件がありますが、うつ病・PTSD・適応障害等の診断書があれば要件を満たす可能性があります。
保護命令が出ると、自宅への立入禁止・接近禁止などあなたの行動が大きく制限されます。「相手が医療機関を受診している」「相手が弁護士をつけた」という情報が入った段階が、弁護士相談の適切なタイミングです。申立てがあってから動くより、事前の相談で選択肢が広がります。
認めます、DVしてたこと!離婚を回避するためのポイントとは?
周囲への相談や冷静に考えてみて、自らの行動がDVだとわかったとき。
またDVをしていたことは認めるけれども、夫と離婚せずにこれまでどおりに暮らしていきたい場合、どういう点に気をつけて行動すべきでしょうか。
家庭内での別居状態を回避する
まず自分のしてきたことについて心から謝罪しましょう。
また家庭内での別居状態が続くと、相手に考える時間を与え、一気に離婚まで進んでしまうことも少なくありません。
そういった状態を避けるためにも、少しでもコミュニケーションを取るように努めることです。
事務的な会話など、一言二言からでもかまわないので、夫と顔をつきあわせて言葉をかわすことを日課にします。
離婚の届の不受理の申請を利用する
離婚届は、基本的に夫婦双方の合意のもとに受理されます。
しかし、一緒に暮らしていると、相手のハンコを持ちだすことも簡単です。
いかにも合意があったように見せかけ、勝手に離婚届を出すことも可能です。
そうした事態を避けるために、申請するのが離婚届の不受理申出です。
本籍地またはお住まいの役所に不受理申出書という用紙を提出するだけで、一方が勝手に離婚届を提出した場合は受理されないのです。
ぜひこの制度を利用しましょう。
不受理申出書は区役所戸籍課戸籍担当に提出します。
※原則、郵送による申出は受付けできません。
【参考】大阪市の不受理申出書
(上記は一例です。自分の本籍地またはお住まいの役所に提出してください)
夫が逃げ出した!別居に逃げた夫と話をするための手段とは?
自らのDVを反省し、心を入れかえてやり直したいのに、夫が家を出ていってしまった。
もはや離婚を受け入れるしかないんだろうか、でもやっぱり夫と別れたくない!
こんな場合にもう一度夫と話しあい、建設的に復縁を目指すためにできることを考えてみました。
弁護士や相談サポートのアドバイス
離婚は夫婦双方の合意のもと成立します。
一方からの離婚を認める場合には、民法で決められた離婚の原因、法定離婚事由が裁判で認めれる必要があります。
法定離婚理由にあたるのは、次の5つです。
- 不貞行為(浮気)
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みのない強度の精神病
- 婚姻を継続しがたい重大な事由
ケースバイケースですが、これらが裁判所に認められた場合、離婚が成立することになります。
DV行為に関しては、5.の婚姻を継続しがたい重大な事由にあたると判断されるケースもあります。
どういう理由が認められるのか、認められないのかは過去の判例や具体的な証拠の提出などによって異なります。
まずは裁判のプロである弁護士に相談してみましょう。
弁護士とちょくせつ話すのは気がおもかったり、緊張してしまうとちゅうちょしてしまって動けずにいる方。
離婚相談サポートに相談することをお勧めします。
相談に乗ってくれるのは、解決できる人、解決できる方法を知っているサポーター的な相談員です。
無料なので構えず、24時間メールでの問合せを受け付けています。人目を気にせず、気軽に相談して見てください。
自分と夫の現状を相談した上で、離婚を回避できる方向で夫に話をしてもらうことをおすすめします。
「共同親権を条件にする」という交渉の注意点
子どもがいる場合、離婚交渉の中で「共同親権にするなら養育費を払う」という条件提示がされることがあります。
注意すべき点として、相手がDV・モラハラ被害を主張しているケースでは、「加害者が共同親権を要求した」という事実が調停・裁判において不利な印象を与えることがあります。また、一度共同親権に同意してしまった相手側が、後から単独親権への変更を求めることが難しくなる点も考慮が必要です。
共同親権への希望がある場合でも、弁護士を通じた交渉をおすすめします。
調停で話し合いをする
手を尽くしても夫の離婚の決意がつよい場合は、離婚調停に持ち込まれることもあります。
裁判所で行う手続きなので緊張するかもしれませんが、裁判官や調停委員に話を聞かれるだけです。気負うことなく
「離婚したくない」という思いや希望をつたえましょう。
なお話を聞かれる場では、夫と同席することはほとんどないので、自分の考えをわかりやすくつたえることを優先すれば大丈夫。
【参考】裁判所:夫婦関係調整調停
夫の気持ちは変わらない?離婚の回避がむずかしい場合には
別れたくないからがんばってきたけれど、夫の決意は固いとわかったとき、離婚が避けられないときもあるでしょう。
気持ちを切りかえて、お金のことや、子供がいる場合はお子さんのことなど、今後の自分の生活を冷静に判断する必要があります。
細かい約束事を冷静に話し合い、離婚協議書を作成しておくことが大切です。
できればおおやけの文書である公正証書でつくるとよいでしょう。
最終的に離婚という結果になるとしても、ここまで努力したのだから、自信を持って新しい一歩を踏みだす勇気を持ってくださいね。
【記事更新情報】
最終更新: 2026年5月
法改正対応: 2024年4月1日施行の改正DV防止法(精神的DVの保護命令対象化)を反映
参照法令: 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(令和5年改正)
調査担当: 編集部
📋 この記事の参考情報・一次ソース
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まずは無料相談から
一人で悩まず、離婚問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
初回無料相談を受け付けている事務所もあります。
費用が心配な方は法テラス(日本司法支援センター)の無料相談もご活用ください。
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本記事は、離婚に関する一般的な情報の提供を目的としており、 個別の法律相談・法的アドバイスを行うものではありません。
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【法改正対応について】
本記事は2026年5月現在の法律に基づいています。
共同親権制度(2026年4月施行)等の重要改正については、
最新の法律情報をご確認ください。
この記事を書いた人
narita
【基本情報】 narita(なりた)|38歳・男性・千葉県在住 離婚経験: 2020年 協議離婚|婚姻期間: 4年|子どもの有無: なし 主な離婚理由: 自身の不貞行為(有責配偶者) 【プロフィール】 2020年、自分の浮気が妻にバレてスピード離婚した。有責配偶者だったため、慰謝料を払う立場は明白だった。妻側の弁護士から「200万円」を提示されたとき、「これが相場なのか」と思い込み、そのまま応じた。 後から調べると、婚姻期間4年・子どもなし・立証された不貞行為1回の場合、50〜100万円程度が相場だと知った。3ヶ月間の交渉と100万円超が、まともな知識があれば防げた損失だった。 「有責配偶者でも知識があれば守れるものがある」。それを伝えたくて、浮気・慰謝料の記事を書き続けている。 【担当ジャンル】 浮気・不貞行為の慰謝料(支払う側・請求される側の両視点)/離婚回避・夫婦関係修復/有責配偶者の離婚条件・交渉術 この著者が担当する理由: 有責配偶者として慰謝料交渉を経験したことで、「相手の弁護士がどう動くか」「どこで折り合いがつくか」を実感として持っている。「自分が悪い側」の視点から書けるライターは少なく、差別化できるポイント。 【情報収集・執筆プロセス】 1. 裁判所公開の離婚調停・慰謝料に関する司法統計を確認 2. 不貞慰謝料の判例(最高裁・東京地裁等)を法律データベースで確認 3. 「相場」として記載する金額は、複数判例から導いた中央値を使用 4. 法改正(特に2026年4月民法改正)の影響を確認済み 慰謝料は「ケースによって数十万円の差が出る」ため、記事内に必ず「あくまで目安」と注記し、弁護士相談を促す文を配置。


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