2026年4月 離婚法改正まとめ|共同親権・養育費・財産分与・保護命令の変更点を解説
最終更新日: 2026年5月31日
【2026年4月施行:離婚法改正 早見表】
| 改正項目 | 何が変わった | 誰に影響する |
|---|---|---|
| ①共同親権の導入 | 離婚後も「共同親権」を選べるようになった | 子どもがいる全ての離婚当事者 |
| ②法定養育費の新設 | 合意なしで最低養育費が自動的に発生する | 養育費を受け取る側(多くは母親) |
| ③財産分与の期間延長 | 請求期限が「2年」から「5年」に延長 | 財産分与を後から請求したい側 |
| ④情報開示命令の新設 | 家裁を通じて相手の財産を開示させられる | 相手が財産隠しをしている疑いがある側 |
| ⑤精神病離婚事由の削除 | 「強度の精神病」は離婚事由から削除された | うつ病・精神疾患が絡む離婚当事者 |
| ⑥DV保護命令の拡充 | 精神的DVも保護命令の対象に(2024年4月施行) | モラハラ・精神的DV被害者 |
→ 自分のケースに当てはまる改正を確認して、以下の解説を読んでください。
2026年4月1日、離婚に関する複数の法律が同時に施行されました。民法の大規模改正により、親権制度・養育費・財産分与のルールが一気に変わり、さらに「精神病を理由に離婚できる条件」も見直されました。加えて、2024年4月に施行されたDV防止法の改正により、精神的DVも保護命令の対象に加わっています。
「法改正で何が変わったのかよくわからない」「自分の状況に当てはまるのかが不安」という声をよく耳にします。この記事では、6つの主な変更点を「何が変わったか」「自分にどう影響するか」「具体的にどうすればよいか」の3軸で整理しました。
なお、本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別のケースへの法的アドバイスを行うものではありません。具体的な手続きや判断については、必ず弁護士にご相談ください。
このページの目次
2026年4月の離婚関連法改正:6つの変更点 一覧
まず、今回の法改正全体を俯瞰します。2026年4月1日に施行されたのは主に民法改正です。DV防止法の改正(精神的DVへの保護命令拡充)は2024年4月1日に既に施行されており、本記事ではあわせて解説します。
①共同親権の導入(民法819条等改正)
これまで日本では、離婚後は父か母のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」しか選べませんでした。2026年4月以降は「共同親権」を選択できるようになりました。ただし強制ではなく、父母の合意が原則です。DVや虐待があるケースでは家裁が単独親権を命じる義務規定が設けられています。
②法定養育費制度の新設
離婚届を提出した時点で、法律が定める最低額の養育費が自動的に発生する制度です。これまでは合意書がなければ強制執行ができませんでしたが、合意なしでも一定額を請求できるようになります。先取特権(一般先取特権)が認められ、回収手段が強化されました。
③財産分与の請求期間延長(2年→5年)
2026年4月1日以降に成立した離婚から、財産分与の請求期限が「2年」から「5年」に延長されました。
④情報開示命令の新設
財産分与に関連して、家庭裁判所の手続きを通じて相手に財産の開示を命じる制度が新設されました。不誠実な開示には過料(罰則)が設けられており、財産隠しへの抑止力が強まりました。
⑤「強度の精神病」離婚事由の削除(民法770条1項4号廃止)
「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」という裁判離婚の事由が、2026年4月1日施行の改正で削除されました。今後はより実態に沿った「婚姻を継続し難い重大な事由」(同1項5号)で判断されます。
⑥DV保護命令の拡充(2024年4月施行・DV防止法改正)
2024年4月施行のDV防止法改正で、それまで「身体的暴力」に限られていた保護命令の対象が「精神的暴力(精神的DV・モラハラ)」にも拡大されました。2026年現在、この改正は既に運用されています。

改正①|共同親権の導入:誰がどう選択するのか
共同親権とは何か:「単独」から「選択制」へ
2026年4月1日から、離婚後の親権に関する大きなルール変更がありました。これまで日本では、離婚後は父か母のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」が原則でした。改正後は「共同親権」と「単独親権」を選択できるようになりました。
共同親権とは、離婚後も父母の両方が親権者となり、子どもの養育に関する重要な決定を共同で行う制度です。子どもの医療・教育・進学・住所変更など、日常の範囲を超える事項については、両親が共同で決める必要があるとされています。
「共同親権」か「単独親権」か:誰が決めるのか
協議離婚の場合は、父母の合意で共同親権か単独親権かを決めます。離婚届に親権の形態(共同親権または単独親権)を記載する必要があります。一方が単独親権を強く希望している場合は、合意形成のための協議が必要になります。
調停離婚・裁判離婚の場合は、家庭裁判所が「子の利益」を基準に判断します。父母が合意できない場合は審判によって決定されます。調停でも合意が得られないケースでは、最終的に家裁の判断に委ねられます。
DVや虐待がある場合は単独親権が守られる
改正後の民法では、父母の一方からDV(ドメスティック・バイオレンス)または子どもへの虐待があると認められる場合、家庭裁判所は必ず単独親権を命じることが義務付けられています。
「相手のモラハラ・精神的DVがあるのに、共同親権を強いられるのでは」という懸念は多くの方が持ちます。法律上は、DVが認められれば単独親権が保護される仕組みになっています。ただし、DVの立証には証拠が欠かせません。特に精神的DVの場合は日常的な記録(日記・録音・医師の診断書)を積み重ねておくことが重要です。
施行前(2026年3月以前)に離婚した人への影響
2026年3月31日以前に離婚が成立した方は、原則として今回の共同親権制度の対象外となります。ただし、施行後に親権変更の申立を行う場合は新制度の下で判断される可能性があります。既に離婚している方の親権変更については、弁護士に個別に確認することをお勧めします。
執筆者・古田のひとこと
私が離婚を成立させたのは2026年3月で、共同親権制度の施行直前でした。子どもがいなかった私には親権の選択という問題はありませんでしたが、同時期に離婚した子どもを持つ友人たちは「4月以降だったら選択肢があった」と複雑な顔をしていたのをよく覚えています。制度が変わったことで、DVや精神的暴力がある場合に家裁が単独親権を守る規定が設けられたことは、私のように精神的苦痛を受けてきた側には安心できる内容だと感じます。ただ「共同親権」が相手の支配の延長として使われないかの懸念は残ります。証拠を準備したうえで弁護士を味方につけることが何より大切です。
→ 親権の取り方・共同親権制度の詳細はこちら:
ダメ夫に親権は渡さない!母親が確実に親権を取る方法|共同親権・財産分与・養育費まで
【有責配偶者向け】不倫・DV・借金が原因でも親権を取る方法
→ 共同親権のデメリット・DV拒否条件・法定養育費の実態を詳しく知りたい方はこちら:
共同親権で後悔しないために|デメリット・DV拒否の条件・法定養育費の実態【2026年施行後】
→ 当事者体験談(施行2ヶ月の実態)はこちら:
共同親権を選んだ人・断った人の体験談|施行後2ヶ月、当事者たちはどうなったか【2026年】
改正②|法定養育費制度の新設:合意なしでも最低額が決まる
「法定養育費」とは何か
2026年4月1日から、離婚届を提出した時点で、法律が定める最低額の養育費が自動的に発生する「法定養育費制度」が始まりました。
これまで養育費を受け取るには、公正証書や調停調書で合意するか、家庭裁判所での調停・審判を経る必要がありました。合意書がなければ相手が支払いを止めても強制執行ができず、「書面を作らなかったから請求できない」という状況が多く見られました。
法定養育費制度では、協議離婚の時点で養育費の取り決めがなくても、法律上の最低額が発生します。この「法定養育費」には一般先取特権が認められており、相手が支払わない場合に強制執行を申し立てることができます。
法定養育費の金額と適用条件
法定養育費の具体的な金額は、子どもの年齢・人数等に応じた算定基準(政令で定められる予定)によります。現行の養育費算定表が参考にされると想定されていますが、双方の収入に基づく正式な算定額とは異なる場合があります。
法定養育費はあくまでも「最低限の保護」です。正式な取り決め(公正証書・調停調書)がある場合はそちらが優先されます。より高い養育費を確実に受け取るためには、離婚時に公正証書等でしっかり取り決めを行うことが引き続き重要です。
養育費の回収方法がどう変わったか
法定養育費に認められた「一般先取特権」により、相手の財産(給与・銀行口座など)から優先的に回収できる権利が生まれました。相手が支払いを怠った場合、裁判所に強制執行を申し立てるハードルが従来より下がるとされています。
ただし、強制執行を実際に行うには相手の財産(勤務先・銀行口座等)の特定が必要です。離婚前に相手の勤務先・金融機関の情報を把握しておくことが、制度を活用するうえで重要になります。弁護士と相談しながら準備を進めることをお勧めします。
執筆者・古田のひとこと
私には子どもがいなかったため、養育費の問題を直接経験したわけではありません。ただ、当時の離婚仲間から「相手が突然養育費を払わなくなった」「書面を作っていなかったから請求できない」という話を何度も聞きました。合意書を作っていても相手が無視すれば泣き寝入りになるケースも珍しくなかった。法定養育費制度と先取特権が整備されたことで、子どもを育てる側が一人で抱え込む状況が少しでも減ってほしいと願っています。制度を使いこなすためにも、離婚前に必ず弁護士に確認してください。
→ 養育費の取り決め方・不払い対策はこちら:
養育費の取り決め方と公正証書の作り方
調停離婚の流れと手続き
→ 法定養育費制度の詳細・先取特権の使い方はこちら:
法定養育費とは?月2万円・先取特権の使い方・未払い対策【2026年4月施行】
改正③④|財産分与が変わった:請求期間の延長と情報開示命令の新設
請求期間が「2年」から「5年」に延長:いつから数えるのか
2026年4月1日以降に成立した離婚については、財産分与を請求できる期間が従来の「2年」から「5年」に延長されました。
起算点は「離婚が成立した日(離婚届の受理日)」です。「財産の存在に後から気づいた日」ではなく、離婚成立日から5年以内に請求する必要があります。財産分与の対象となる財産の存在に気づくのが遅れた場合でも、起算点は離婚成立日となる点に注意が必要です。
なお、2026年4月1日より前に離婚が成立している場合は従来の2年ルールが適用されます。改正の恩恵を受けられるのは2026年4月以降に離婚が成立したケースに限られます。
情報開示命令(新設):相手の財産隠しに対抗できる
今回の改正で新設された「情報開示命令」は、財産分与手続きの中で相手に財産の開示を命じる制度です。
これまで財産分与の交渉では、相手が預貯金・不動産・株式・保険等の財産を隠しても、被害側が把握するのは非常に困難でした。「相手の財産がどれだけあるかわからないまま不利な分与に同意させられた」というケースが多く見られました。情報開示命令を利用することで、家庭裁判所を通じて相手の財産の開示を求めることができます。
開示を拒否したり、虚偽の申告をしたりした場合には過料(罰則)が設けられています。これにより財産隠しへの抑止力が強まりました。
高所得者・有資産者が注意すべきこと
財産分与の請求期間延長と情報開示命令の新設は、財産を持つ側(高所得者・有資産者)にとって、より長期間・より厳しい調査にさらされることを意味します。
会社名義の資産や株式、保険の解約返戻金なども財産分与の対象となる場合があります。婚姻前から持っていた財産(特有財産)は財産分与の対象外ですが、特有財産であることの証明(通帳・売買契約書等の保管)が必要です。財産防衛の観点からも、弁護士との早期相談が重要です。
→ 財産防衛の具体的な方法はこちら:
離婚で財産を守る方法|高所得者の慰謝料・財産分与対策
→ 財産分与5年延長・情報開示命令の使い方はこちら:
【2026年法改正】財産分与の請求期限が5年に延長!適用ケースと情報開示命令の使い方を解説

改正⑤|「強度の精神病」は離婚事由から削除された
旧民法770条1項4号:何が規定されていたのか
2026年3月31日まで、民法770条1項には裁判で離婚を請求できる事由として4号に「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」という規定がありました。この規定が根拠となって、配偶者の精神疾患を理由とした裁判離婚が認められるケースがありました。
2026年4月1日施行の民法改正により、この第4号は削除されました。「精神病を理由に離婚できる」という明文の規定はなくなりました。
改正後の基準:「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)
旧第4号が削除されたあとも、民法770条1項5号「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」は維持されています。配偶者が精神疾患を抱えるケースでは、今後はこの規定が適用されます。
「婚姻を継続し難い重大な事由」として認められるためには、単に精神疾患があるという事実だけでは不十分とされています。「夫婦関係が完全に破綻しており、回復の見込みがない状態」を具体的に立証することが求められます。具体的にどの程度の状態が認められるかは、個別の事情によって判断が異なります。詳しくは弁護士にご相談ください。
うつ病・精神疾患がある場合の離婚(2026年4月以降)
「相手がうつ病→離婚したい」ケース
配偶者がうつ病等の精神疾患を抱えており、婚姻生活の維持が困難な状態が続いている場合、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)での離婚が検討されます。ただし旧法の第4号とは異なり、精神疾患であるという事実だけでは認められにくくなっています。婚姻関係の破綻を示す具体的な事情の立証が重要とされています。
「うつ病にさせられた→離婚+慰謝料請求したい」ケース
相手のモラハラや精神的DVによって自分がうつ病・適応障害等になった場合は、精神的DVを理由とした離婚請求と慰謝料請求が考えられます。2024年のDV防止法改正(精神的DVへの保護命令拡充)と組み合わせて活用できる可能性もあります。
執筆者・古田のひとこと
私は精神的苦痛を理由に離婚した側です。6年間受け続けた精神的な圧迫と抑圧の末に「離婚したい」と決意したとき、弁護士に最初に言われたのが「証拠はあるのか」でした。頭の中では「これだけ苦しんできた」という実感があっても、それを証明する「形」がない。その焦りは今でも鮮明に覚えています。今回の改正で「強度の精神病」という条文が削除されたことで、精神疾患がある場合の判断がより実態に沿った形になったと思います。ただどんな形の離婚事由であっても「立証」が必要なことは変わりません。「証拠が足りない」と感じている方こそ、早めに弁護士に相談してほしいと思います。
→ うつ病・精神疾患が絡む離婚の詳細はこちら:
うつ病の夫(妻)との離婚|2026年4月改正後の判断基準
→ 「強度の精神病」条項削除の詳細・対応策はこちら:
精神疾患を理由に離婚できる?2026年改正で「強度の精神病」条文が削除された影響と対応策

改正⑥|DV保護命令の拡充:精神的DVも対象に(2024年4月施行)
2024年DV防止法改正で何が変わったか
2024年4月1日に施行されたDV防止法の改正により、保護命令の対象が大きく拡大されました。
改正前は、保護命令(接近禁止命令・退去命令等)の申立ができる暴力は主に「身体的な暴力またはその脅迫」に限られていました。改正後は、「精神的な暴力(精神的DV・モラハラ)」による著しい精神的苦痛も保護命令の対象に加わりました。
これにより、身体的な傷がなくても、相手からの暴言・脅迫・支配・無視などによって生活が困難な状態にある場合、保護命令を申し立てられる可能性が生まれました。2026年現在、この制度は既に運用されています。
精神的DVで保護命令を申し立てるために必要なもの
精神的DVを理由として保護命令を申し立てるには、①精神的DVの被害の事実と、②被害が継続すること・今後も被害を受ける恐怖があることの両方を立証する必要があるとされています。
有効な証拠・資料として挙げられるものは以下の通りです。
- 日記・メモ(日付・相手の言動の内容・状況を詳細に記録したもの)
- 録音・録画(相手の暴言・脅し・威圧的な言動)
- 医師の診断書(うつ病・適応障害・PTSDなどの診断)
- 医療機関やカウンセリングの受診記録
- 配偶者暴力相談支援センターへの相談記録
- 信頼できる第三者(友人・家族)への相談の記録
証拠が不十分でも申立できないわけではありませんが、申立が認められる可能性を高めるために、日常的に記録を続けることが重要です。
モラハラ・精神的DV被害者が今すぐやること
モラハラや精神的DVを受けている場合、できる限り早い段階から証拠を集め始めることが重要です。特に別居を検討している場合は、別居前に証拠を確保しておくことが、離婚手続きと保護命令申立の両方で重要になります。
- 配偶者暴力相談支援センター(各都道府県の女性相談センター等):相談・一時保護・弁護士紹介等
- 法テラス(日本司法支援センター):収入が一定額以下の場合、弁護士費用の立替制度あり
- 警察:緊急時・身の危険がある場合
→ モラハラ・精神的DVでの離婚の手順・証拠収集はこちら:
→ 2024年DV保護命令強化・精神的DV・申立て手順の詳細はこちら:
【2024年改正】DV保護命令が強化|精神的DVも対象・電話SNS禁止命令・申立て手順を解説
ケース別:法改正で「あなた」はどう対応すればよいか
6つの改正のうち、自分の状況に当てはまるケースを確認してください。
ケース①:子どもの親権を争っている場合
2026年4月以降の離婚では「共同親権か単独親権か」の選択が必要になります。相手のDV・モラハラ・虐待がある場合は、証拠を確保したうえで弁護士を通じて「単独親権」を求めることが重要です。早めに弁護士に相談することをお勧めします。
ケース②:養育費が払われない・払えないケース
2026年4月以降に離婚した方は、合意書がなくても法定養育費制度が利用できる可能性があります。まず弁護士または家庭裁判所に相談して、具体的な手続きを確認してください。
ケース③:財産分与で揉めている・財産を守りたい場合
2026年4月以降の離婚では請求期間が5年になりました。情報開示命令を活用すれば、相手が財産を隠しているケースでも対抗できる可能性があります。
ケース④:精神的DV・モラハラ被害を受けている場合
2024年のDV防止法改正により、精神的DVでも保護命令を申し立てられるようになりました。録音・日記・診断書を早めに準備して、まず配偶者暴力相談支援センターか弁護士に相談してください。
ケース⑤:配偶者のうつ病・精神疾患が原因で離婚を考えている場合
「強度の精神病」事由は2026年4月に削除されました。今後は「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)での対応になります。早めに弁護士に相談することをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年の法改正で、離婚はしやすくなりましたか?
A. 一概には言えません。共同親権の導入や養育費制度の新設により「離婚後の生活設計がしやすくなった」面はあります。一方、「強度の精神病」が法定離婚事由から削除されたため、配偶者が精神疾患を抱えるケースでの裁判離婚の立証は変化しています。自分のケースに当てはまる改正を確認し、弁護士に相談することをお勧めします。
Q2. 共同親権は強制されるのですか?
A. 強制ではありません。協議離婚の場合は夫婦の合意が必要です。合意できない場合は家庭裁判所の審判で決まります。DVや虐待がある場合、家裁は必ず単独親権を命じることが法律で定められています。
Q3. 養育費の合意書がありません。法定養育費制度は使えますか?
A. 2026年4月1日以降に成立した離婚であれば、法定養育費の効力が発生しているとされています。ただし適用条件・金額・手続きについては弁護士に確認してください。公正証書・調停調書等の合意書がある場合はそちらが優先されます。
Q4. 2026年4月より前に離婚しました。財産分与の5年延長は使えますか?
A. 使えません。財産分与の「5年延長」は2026年4月以降に成立した離婚から適用されます。それ以前に離婚が成立している場合は、従来の2年ルールが適用されます。
Q5. 「強度の精神病」が削除されたなら、うつ病の配偶者とは離婚できなくなったのですか?
A. 離婚できなくなったわけではありません。改正後は「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)で判断されます。「夫婦関係が破綻しており、回復の見込みがない状態」を立証できれば離婚が認められるとされています。弁護士にご相談ください。
Q6. 精神的DVで保護命令を申し立てるには何が必要ですか?
A. 主に①精神的DVの事実を示す証拠(録音・日記・医師の診断書等)と、②継続する被害への恐怖の立証が必要とされています。配偶者暴力相談支援センターや弁護士への相談が申立への第一歩です。証拠が不十分でも、まず相談してください。
Q7. 財産分与の請求期間が5年になりましたが、いつから数えますか?
A. 離婚が成立した日(離婚届の受理日)から5年間とされています。「財産の存在に気づいた日」ではなく、起算点は離婚成立日となる点に注意が必要です。
まとめ:2026年4月の法改正で押さえるべきポイント
2026年4月に施行された民法改正と、2024年4月のDV防止法改正は、離婚を考えている方・離婚後に困っている方の双方にとって無視できない変化をもたらしました。
- 共同親権の選択制:DVがある場合は単独親権が守られる規定あり。証拠確保が最優先。
- 法定養育費と先取特権:合意なしでも養育費を請求できる制度が整った。ただし2026年4月以降の離婚が対象。
- 「強度の精神病」の削除:精神疾患がある場合の離婚は「婚姻継続難」の立証が必要に。
法改正を正しく活用するためには、自分のケースに応じた個別の判断が欠かせません。本記事で紹介した内容はあくまでも一般的な情報です。具体的な対応については弁護士への相談を強くお勧めします。各改正の詳細については、本記事内の各リンク先でさらに詳しく解説しています。まずは自分のケースに最も近いページから読んでみてください。
免責事項・ご利用にあたって
本記事は、離婚に関する一般的な情報の提供を目的としており、 個別の法律相談・法的アドバイスを行うものではありません。
記事の内容は、執筆時点の法律・判例・実務に基づいており、 法改正・判例変更等によって内容が変わる場合があります。 最新の情報については、必ず弁護士等の専門家にご確認ください。
本記事の内容を参考にした結果生じたいかなる損害・不利益についても、 当サイト運営者および監修者は責任を負いかねます。 重要な法的判断は、必ず資格を持つ弁護士にご相談ください。
【法改正対応について】
本記事は2026年5月現在の法律に基づいています。
共同親権制度(2026年4月施行)等の重要改正については、
最新の法律情報をご確認ください。
この記事を書いた人
furuta
【基本情報】 furuta(ふるた)|30代・女性・千葉県在住 離婚経験: 2022年 協議離婚(調停なし)|婚姻期間: 6年|子どもの有無: なし 主な離婚理由: 価値観の不一致(生活スタイル・将来設計のズレ) 【プロフィール】 夫とは6年間一緒にいたが、「子どもを持つかどうか」という根本的な価値観のズレが修復できなくなり、2022年に協議離婚を決めた。 離婚自体はスムーズに進んだが、問題は慰謝料だった。夫の浮気は証明できなかったため有責配偶者認定はなかったが、「精神的苦痛に対する慰謝料」を求めて交渉に臨んだ。当初100万円を目標にしていたが、相手に「証拠はあるのか」と言われた瞬間に言葉に詰まった。結局、話し合いで手にしたのは20万円。弁護士に相談していれば、少なくとも交渉の余地はあったと今でも思う。 「知らなかったこと」が損失に直結する。それがこのサイトを書き続ける理由だ。 【担当ジャンル】 協議離婚の進め方・段取り/慰謝料の請求・相場・交渉/モラハラ・価値観の不一致による離婚/離婚全般の入門記事 この著者が担当する理由: 協議離婚を経験したことで、「法的手続きを踏まずに交渉した場合の限界」を実体験として把握している。弁護士に頼らない選択肢の現実を書けるのは、実際に経験した者だけ。 【情報収集・執筆プロセス】 1. 法務省・裁判所・e-Govの公開資料で法的根拠を確認 2. 記事内の数値(慰謝料相場・算定基準)は判例タイムズ等の公開データを参照 3. 法改正があった項目は官報・法務省告示を必ず確認(2026年4月改正民法対応済み) 4. 記事公開後も法改正・判例変更があった場合は更新 「弁護士への相談が必要な案件」「ケースバイケースの要素が大きい内容」は必ず「弁護士への相談をおすすめします」と明記している。


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